落ち着いてからでも間に合う死亡後の手続き
- 2017/04/27
- お役立ち情報
2020年12月16日更新
目次
- -1、公共料金の契約者や支払い方法の変更、解約手続き
- -2、スマートフォン・携帯電話・インターネットプロバイダーの解約手続き
- -3、電話加入権(固定電話の回線契約)の承継手続き
- -4、運転免許証の返納手続き
- -5、パスポートの返納手続き
- -6、クレジットカードの解約手続き
死亡後の手続きは優先順位を知っておくと効率的
家族など身近な方が亡くなると、遺族は悲しむ時間がないほど次から次へとやるべきことが押し寄せ、慌ただしく時間が過ぎていくのが現実です。
特に喪主を務める方など、葬儀や法要で中心になって動く方はすべてが滞りなく終えてからやっと落ち着く時間が持てるようになるため、大切な方を失った寂しさや実感は一段落がついたあとから湧いてくるのではないでしょうか。
家族が亡くなったとき早急にしなければならない各種手続きには、死亡診断書(死体検案書)の受け取りや死亡届の提出、火葬許可証の受け取りなど公的な届出から名義変更までさまざまにありますが、その中でも悲しみや気持ちが落ち着いた頃に少しずつ進められる手続きがあります。
死亡後に急いでしなければならない届出ではなくても、提出期限が設けられている手続きはありますので、提出時の必要書類などとあわせて優先順位を知っておくと遅滞することなくスムーズに進めることができるでしょう。
期限が決められていない手続き
家族が亡くなったあとすみやかにしなければならない公的な手続き以外にも、できるだけ早いうちに済ませておきたい届出や手続きがいくつかあります。
具体的には、電気、ガス、水道、電話料金などの契約者や支払い方法の変更手続き、スマホや固定電話回線の解約などです。
たとえば、亡くなられた方の銀行口座が公共料金の自動引き落としに指定されていた場合、死亡によって口座が凍結されてしまったら毎月の支払いが滞ってしまうことになります。
葬儀や遺品整理などに追われて契約者や支払い方法の変更を失念していると、同居している方の生活にも大きな影響を及ぼしてしまうかもしれません。
このように期限が決められていない届出や手続きも、うっかり忘れてしまうことがないようできるだけ早めに進めておくと安心です。
1、公共料金の契約者や支払い方法の変更、解約手続き
ライフラインとなる電気・ガス・水道の契約に関する変更手続きは、各サービス会社の電話窓口やインターネットのホームページで行うことができます。
故人の口座から自動的に料金が引き落とされる支払い方法(口座振替)を利用している場合は、契約者の変更と一緒に支払い方法の変更手続きも必要です。
料金の支払い口座や支払い方法の変更方法については、電話窓口やインターネットからできる会社やあらためて申込書による手続きが必要な場合もありますので、各契約先にてご確認ください。
必要書類のほか、書類に押印が必要な場合は銀行に登録した印鑑でなければならないかどうかも確認しておくと安心です。
契約者の死亡により、契約そのものが不要になる場合は解約を申請しましょう。
2、スマートフォン・携帯電話・インターネットプロバイダーの解約手続き
故人のスマートフォンや携帯電話のキャリア(携帯電話会社/通信事業者)契約は遺族が引き継ぐ(承継する)ことも可能ですが、複数台の契約を必要とすることはあまりありませんので、解約するケースがほとんどでしょう。
キャリアとの契約を解除する場合、契約解除料は不要でも解約日までの月額基本料金の請求や分割払いしていた端末代金の残額を違約金として請求されるケースがありますので、できるだけ早いうちに解約手続きを済ませておく方が安心です。
キャリア契約の解約は、多くの場合キャリアショップの店頭窓口で手続きをすることになります。
手続きの際には、解約機種の本体や契約者の死亡の事実が確認できる書類として除籍謄本(除籍全部事項証明書)や住民票(除票)の写しなどが必要となりますので、ホームページや問合せ窓口で確認しておきましょう。
インターネットの回線契約やプロバイダーの契約解除は、電話やインターネットで手続き可能な場合もあります。
ネット回線やプロバイダ契約の詳細については、遺族が遺品整理で支払い明細書や契約書などを見つけ出さない限り分かりづらいことがほとんどです。
自分に万が一のことがあった場合に備えて、生前整理や終活の一環としてエンディングノートなどに契約情報を残しておき、家族が困らないように準備しておくことも大切です。
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- デジタル生前整理のプロバイダー編|インターネット接続に必要な契約はほとんどが承継できます
3、電話加入権(固定電話の回線契約)の承継手続き
固定電話の回線契約者が亡くなられた場合、電話の加入権や電話番号を手放す完全な解約(契約解除)をすることもできますが、名義変更の手続きを行うことで電話加入権を承継(相続)することも可能です。
NTTやKDDI、ソフトバンクなどが提供するサービスごとに解約・承継の手続き方法や解約手数料、工事費などは異なりますので、詳細については契約会社に確認しましょう。
契約者の死亡によって電話加入権を承継する場合、所定の承継届出書の提出と一緒に契約者の死亡の事実と契約者との相続関係が確認できる全部事項証明書(戸籍謄本)や個人事項証明書(戸籍抄本)、死亡診断書(死亡届)、遺言書などの書類が必要となります。
なお、故人が所有していた電話加入権も預貯金や株式、土地や建物などと同じように相続税の課税対象になりますので、電話加入権を承継するときは少額ではありますが相続税がかかることも考慮しておきましょう。
4、運転免許証の返納手続き
運転免許証を所有していた方が亡くなられた場合、道路交通法において免許は無効となり、効力を失った免許証は返納する必要があるとされています。
故人の遺族に返納義務が生じるというわけではありませんので、返納しないからといってペナルティが課せられることはなく、先の更新手続きをすることもできないため、いずれ失効します。
とはいえ、故人の身分証明書にもなり得る個人情報が記載された運転免許証があるといつ誰に悪用されてしまうかわかりませんので、返納手続きはしておく方が良いと言えるでしょう。
亡くなられた方の運転免許証は、最寄りの警察署や運転免許センターの窓口にて返納手続きを行います。
手続きの際には、返納する故人の運転免許証、故人の死亡の事実を証明する死亡診断書(死体検案書)や除籍謄本(除籍全部事項証明書)の写し、届け出る方の身分証明書と印鑑などが必要です。
5、パスポートの返納手続き
パスポートの名義人が亡くなった場合、旅券法によって効力を失うこととなり、失効したパスポートは原則として都道府県知事、または外務大臣に遅滞なく返納しなければならないとされています。
運転免許証の返納と同じく、故人の遺族に返納義務が生じることはなく、返納しなかった場合に罰則が科せられるということはありませんが、やはり不正利用などを防止するためにも返納した方が良いでしょう。
パスポートの返納は、国内であれば最寄りの都道府県パスポートセンターへ、国外であれば最寄りの日本大使館または総領事館に届け出ます。
返納手続きの際には、故人のパスポートと除籍謄本など名義人が死亡した事実がわかる書類も必要です。
6、クレジットカードの解約手続き
手続きの方法や必要書類などはクレジットカード会社によって異なりますので、各社に問い合わせて必要な書類を揃えるようにしましょう。
クレジットカードの解約をした場合でも、亡くなった方の未払金は原則として相続人が支払わなければなりませんので、支払い状況や利用明細を知りたいという場合は、クレジットカード会社に情報開示を請求しましょう。
公共料金はクレジットカードの自動払いにしている方が増えていますので、未払金については特に注意をしておきたいところです。
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落ち着いたら行う手続きのポイント
公共料金や故人が受けていたサービスについて、それらを利用することがなくなるために解約する場合は、発生する費用などの兼ね合いから、期限の定めはないと言ってもなるべくすみやかに手続きを行ったほうが良いと言えます。
これまで支払っていたものを確認する場合は、故人の通帳で定期的な自動引き落としがないかを確認したり、支払い明細・領収書や請求書といった郵便物をチェックする方法がわかりやすいでしょう。
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