お墓のことを知る
- 2019/04/05
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お墓のことを知る
目次
お墓について
大切な方が旅立ち、通夜や葬儀を終えて一息ついたら考えなければいけないのが「お墓のこと」です。
亡くなられた方が永く安らかに眠る居場所となる「お墓」は「終の住処(ついのすみか)」とも例えられ、日本では古来より花を手向けて故人を弔うという習慣を行ってきました。
皆さんも故人の「命日」や、亡くなった方の魂が家に帰ってくる時期とされている「お盆」、あの世とこの世の間が一番近くなるといわれている春秋の「お彼岸」、新年を迎える「年末年始」、時には人生の節目などにお墓参りをしたことがあるのではないでしょうか。
「お墓」は先祖代々から引き継ぐ場合もあれば、新たに建てることもあります。
最近では、生前整理や終活を通じて遺品整理の準備を始める方が増えていますが、それと同時にお墓や墓地の整理を考えるという方も増えております。
こちらでは、故人と遺族をつなぐ絆でもある「お墓」について、必要な費用や管理、清掃のことなど少し踏み入れてご紹介いたします。
私たちが生きているからこそいつか迎える「死」にまつわる様々なこと。
突然「その時」が来たときにあなたや大切な家族が慌てることがないよう、基本的な知識を備えておくことは決して無駄ではありません。
生きる私たちに与えられた「今」という人生を有意義な時間にしませんか?
お墓の基本を知る
「お墓」は、故人とご遺族との絆となる特別なものであり、ご先祖様の存在や自分自身のルーツに触れることができる場所でもあります。
では、皆さんの人生において一度とあるかないかの「お墓を建てる」ことになった場合、そして、継承した「お墓を管理する」ことになった場合に知っておかなければいけない「お墓の基本」についてどれくらい知っていますか?
こちらでは、基本知識として必要な「お墓にまつわるお金のこと」をご紹介してまいります。
お墓を建てる際に発生する費用は、寄付やお布施などの支払いを除いて「永代使用料」「墓石代」「管理費」と大きく3つに分けられます。
建墓に必要な費用のこと
1、永代使用料|建墓に必要な費用のこと
「永代使用料」とは、お墓となる墓地・霊園の土地を使用する権利を得る(土地を借りる)ための費用のことです。
お墓を新たに建てる際、多くの方が「墓地を買う」といいますよね。
これは、実際に「お墓となる土地を買う」ということではなく、土地の所有者である寺院や霊園と「永代にわたって墓地として使用する権利(永代使用権)を購入する」ことを意味しています。
この「永代使用料」は、改葬や永代供養など何らかの事情でお墓を整理するため、管理側に永代使用権を返還することになったとしても、納めた永代使用料は返金されません。
また、永代使用権は親族以外の第三者に対する譲渡、転売、転貸、贈与が禁じられています。
管理側に無断で永代使用権を他人に譲るなどした場合には、多くの墓地が設ける規定に沿って永代使用権が取り消されることがあります。
永代使用権を失効した場合でも、永代使用料が返金されることはありませんので注意が必要です。
■永代使用権が消滅する一般的なケース
- 永代使用権を得た後、申告なく既定の年数以上放置した場合
- 永代使用権の使用者が住所不明になり、既定の年数以上経過した場合
- 永代使用権の使用者が死亡してから、既定の年数以上経過しても承継者がいない場合
- 規定の年数以上、管理費を納めず督促にも応じない場合
- 規定の目的以外に永代使用権を使用した場合
- 永代使用権を無断で譲渡または転貸した場合
- 永代使用権を得るときに偽りがあった場合
- 寺院墓地の場合、他の宗旨・宗派の方法で法要を行った場合
- 寺院墓地の場合、永代使用権の名義人が改宗した場合
■永代使用料の相場
全国の平均相場 | 約70万円~80万円 |
関西の平均相場 | 約50万円~80万円 |
大阪府の平均相場 | 約60万円~85万円 |
永代使用料はお墓の立地条件によって異なります。
墓地や霊園がある土地の不動産にかかる料金であり、立地している地域の地価が直接的に影響しますので、傾向としてはやはり都心部であるほど永代使用料が高く、アクセスの利便性や周辺の環境によっても変動します。
2、墓石代|建墓に必要な費用のこと
墓石代とは、お墓を建てる際にかかる墓石本体の価格や外柵(がいさく)費用、施工費のことです。
墓石本体の価格は、石材の種類や使用量、加工の方法、文字や家紋などの彫刻費用となっており、一般的には墓地の区画が広いほど墓石や外柵も大きくなることから、その分墓石代は割高になると考えられます。
■墓石代の相場
全国の平均相場 | 133万円 |
関西の平均相場 | 120万円 |
大阪府の平均相場 | 110万円 |
近年ではお墓の種類が多様化し、和式と洋式の墓石を組み合わせた「和洋墓石」や墓標が横長になってる「洋型墓石」、自らデザインできる自由度の高い「デザイン墓石」など、多くの選択肢から選ぶことができるようになりました。
とは言え、お墓の価値というのは種類や大きさ、素材や金額で決められることではありません。
良いお墓とは、お墓参りをしたくなるお墓です。
家族のシンボルであり、家族が繋がる大切な場所となるお墓は、故人やご先祖を手厚く弔うのに相応しいものであれば高価である必要はありません。
3、管理費|建墓に必要な費用のこと
管理費とは、墓地の維持・管理に必要な費用のことです。
「永代使用料」や「墓石代」は新たにお墓を建てる時に支払う料金ですが、「管理費」は墓地・霊園に墓所を管理してもらうため、毎年定期的に支払う義務が生じます。
墓地・霊園は納められた「管理費」を使い、お墓の清掃や水道・電気使用料の支払い、参道の整備、駐車場・休憩所・トイレ・緑地・管理棟など、墓域全体の運営や維持・管理に使用を行います。
■管理費の相場
公営霊園 | 約2,000円〜10,000円 |
民営霊園 | 約5,000円〜15,000円 |
寺院墓地 | 約5,000円〜10,000円 |
一般的に墓地の管理費は永代使用権を取得した時点から発生するため、墓石の設置が済んでいない場合でも支払わなければなりません。
近年では、終活の一環として永代使用権を生前契約(生前予約)されることも増えておりますが、管理費を滞納すると永代使用権を取り消される要因となりますので支払いを忘れないよう注意が必要です。