遺産相続の基本!知っておきたい財産と相続のこと
- 2017/09/08
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2020年12月24日更新
目次
引き継ぐ財産や相続手続きについて知っていますか?
亡くなった人が遺した財産を引き継ぐ遺産相続はとても重要な手続きのひとつです。
遺産相続という制度は、遺された財産をめぐって紛争が生ずるなどの弊害を防止するために設けられている公的な制度です。
故人の自宅に残された家具やコレクション、カバンに残された財布に入った現金、毎日お参りする仏壇やガレージの車、住んでいた家とその土地、銀行の預金や目に見えない株式に株券、生命保険や家族にも秘密にしていた多額の借金・・・
これらのすべては亡くなった人が残した財産です。
では、あなたが財産を相続することになったとき、自分が何をどれだけ引き継ぐことになるか知っていますか?
相続の基本を知らないと後悔する可能性も
相続の手続きの中には「いつまでに行わなければならない」という期限があるものがあり、期限を過ぎてしまうと手続きができなくなってしまうものがあります。
そして、遺産にはマイナスの財産も含まれますので、思わぬ不利益を受けてしまい相続人にとっては負担となり得るものもあります。
負の財産を引き継ぎたくないという相続人には相続放棄という手続きが認められていますが、法律上の申請期限や要件といったルールが決められています。
しかし、何も知らず遺品整理してしまったばかりに相続を放棄できなくなってしまったり、場合によっては高額な賠償請求をされてしまうといったケースもありますので注意が必要です。
遺産相続の手続きについて、全体の流れを大まかに把握した上で「期限のある手続き」と「自分に該当する手続き」、そして遺産の内容を確認しておきませんか?
こちらでは、遺産相続の基本を具体的にご紹介していきます。
遺産相続とは?
相続(そうぞく)とは、誰かが亡くなった時に、亡くなった故人の財産を配偶者や子などの親族が引き継ぐことを言います。
人が亡くなると相続は開始し、故人が生前に持っていた財産は相続人に引き継がれます。
しかし、引き継がれると言っても何もせずに財産の名義が変わるわけではありません。
預貯金や株式、不動産などといった財産の相続による解約や名義変更の手続は、遺産を相続した相続人が自ら積極的に行う必要があります。
遺産相続の手続きは、亡くなった方の財産を引き継ぐ手続きで、誰もが関わる可能性がある手続きでもあります。
遺言の有無や相続人、相続する遺産の内容によってそれぞれの手続きは変わってきます。
遺産相続の手続きは何かと煩雑で難しいイメージがありますが、自分にはどういった手続きが必要かということを大まかに知っておき、順序立てて進めていくと意外にスムーズに行うことができます。
専門家に依頼する場合でも、基本的なことや必要書類、申請期限などの留意点は把握しておいた方が安心です。
知らないと怖いプラスの財産とマイナスの財産
相続財産とされるものには、どのようなものがあるのか皆さんはご存知でしょうか。
まず相続財産とは、相続によって相続人に引き継がれることになる、故人が亡くなった時点で所有していた権利義務の一切ことをいいます。
いわゆる遺産と同じと考えても問題はないでしょう。
相続財産はカタチのある財産に限られません。
一般的に相続財産というと現金や預貯金、株式などの有価証券、不動産や自動車などを承継する「プラスの財産」というイメージが強く持たれますが、実はそれだけではなく「マイナスの財産」も含まれます。
マイナスの財産とは、住宅ローンを含む借入金や医療費の未払金などの負債のことをいいます。
相続人のうち、特定の者を受取人として指定した生命保険については、法律上は相続財産とされませんが、税務上は相続財産とみなされます。
プラスの相続財産
現物財産・・・現金、預貯金など
不動産・・・土地、家屋など
不動産上の権利・・・貸借権、抵当権など
動産・・・自動車、貴金属、骨董品、家財家具など
有価証券・・・株式、国債、社債、ゴルフ会員権など
その他の債権・・・売掛金、貸付金、損害賠償請求権など
知的財産権・・・著作権など
生命保険金・・・故人が受取人のもの
電話加入権
マイナスの相続財産
負債・・・借金、ローンなど
保証債務・・・原則として相続
損害賠償債務・・・不法行為、債務不履行など
公租公課・・・未納の税金など
買掛金・・・営業上の未払代金など
相続財産とみなされないもの
祭祀財産・・・墓地、仏壇、位牌、遺骨など
生命保険金・・・故人以外が受取人のもの
香典、葬儀費用、死亡退職金、埋葬料
その他・・・故人のみに帰属する権利(一身専属権)など
財産を相続するときに行うさまざまな手続き
相続人の調査・相続人の確定 |
相続できる人は法律で定められており、相続関係を証明する戸籍謄本などを提出する必要があります。 |
遺言の捜索 |
遺言の有無によって相続の手続きは変わります。自宅や病院など大切なものが保管されているような場所などを捜索しましょう。 |
遺言の検認 |
公正証書遺言以外の遺言の場合、家庭裁判所での検認は必須の手続きとなります。 |
相続財産の調査・確定 |
相続財産全体を把握し、相続するかしないかといった方向性を決定しましょう。 |
相続放棄・限定承認 |
マイナスの財産がある場合などに行う手続きです。期限と要件がありますので注意が必要です。 |
遺産分割協議(調停・審判) |
遺言が存在しない場合は、相続人全員が参加のもとで遺産の分け方を決めます。 |
所得の準確定申告 |
相続人や包括受遺者は、相続の開始(被相続人の死亡)を知った日から4カ月以内に亡くなった方(被相続人)に代わって所得の申告や納税をする必要があります。 |
相続税申告 |
財産に相続税がかかるか確認しましょう。税務署へ申告するまでの期限と納税時期に注意が必要です。
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その他、名義変更など各種の相続手続きは必要に応じて行ってください。
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