遺品整理と不用品回収の違い
遺品整理と不用品回収の違いとは?
目次
遺品整理と不用品回収が本質的に異なる点
家具、家電製品、寝具、衣類、身の回りの生活用品、書籍や趣味のコレクション、写真や日記、預金通帳や現金・・・
亡くなった方が生前に過ごしたお部屋には、大きい物から小さな品々まで思い出や気持ちのこもったさまざまな「遺品」が残されています。
こうした故人の遺品整理には、遺品整理業者や不用品回収業者のサービスを利用することができますし、どちらも整理するということには違いありません。
インターネットで遺品整理の代行業者を検索すると、遺品整理業者と不用品回収業者どちらもヒットするでしょう。
「整理する」「片付ける」という点においては遺品整理業者と不用品回収業者は同じです。
しかし、遺品整理業者と不用品回収業者が行う遺品整理は本質的に大きく異なる点があります。
その根底的な違いとは、「遺品に対する考え方」と「遺品整理にどのような関わり方をするか」という点です。
「遺品」と「不用品」は扱い方が違う
依頼を受けて取り扱う物品を単なる部屋にある「物」として扱うのか、亡くなった方が残した「遺品」として扱うのかという違いは作業の仕方にも大きく影響しますし、遺族や遺品に向き合う心構え、そして故人を尊重する気持ちも全く異なってきます。
敬意の念を込めて大切な故人を心残りなく送り出すためには、亡くなった方の持ち物を「遺品」としてどのように整理するか、どんな形で気持ちに区切りをつけるかということを考え、どの業者に依頼するのが最良かをじっくり検討しなければなりません。
自分の代わりに遺品整理を行う事業者として「遺品整理業者」と「不用品回収業者」のどちらに任せるのが良いかを選択するために、それぞれのサービスや作業内容の特徴と違いをこちらで確認しておきましょう。
遺品整理と不用品回収の違いとは
遺品整理は故人の所有品のお片付け
遺品整理とは、遺品を形見分けしたり供養など必要な措置を施して整理することで故人を弔い、あの世へ送り出すための作業です。
亡くなられた方が大切にしていた身の回りの物や日々活用していた家財などを労り、共有した思い出を慈しみながら故人との別れと向き合う遺品整理は、大切な方を偲ぶための大事な時間でもあります。
遺品整理では遺品の扱いについて持ち主に確認することができませんので、遺族がさまざまな物品と慎重に向き合いながら、残す物と処分する物を選別していく必要があります。
形見分けできない遺品については致し方なく処分するという決断もしなければなりませんし、廃棄する遺品については地域や自治体のルールを確認して正しく捨てなければなりません。
遺品整理と一口に言っても、故人が遺した物品を処分するだけの単純な作業ではないということです。
日常的に行うお部屋の掃除とは性質が異なりますので、体力的な疲弊はもちろん、亡くなった方への思いが強ければ強いほど精神的に抱える負担も大きいものです。
合理的に進めづらい状況や期限があるなど、さまざまな事情によって代行業者の依頼を検討されるのであれば、遺品の仕分けから搬出・撤去、買取や廃棄処分まで遺品整理のすべてを任せられる遺品整理業者への依頼が適していると言えるでしょう。
不用品回収は無用な物のお片付け
不用品回収とは、「必要としない物」や「使用することができない物」を引き取り処分する作業です。
遺品整理や引っ越しで出たゴミや不用な物、買い替えで要らなくなった古い物、再利用品やゴミも「不用品」としてまとめて引き取ってもらえるのが不用品回収です。
不用品回収では、すでに不用と判断されたものが回収作業の対象となりますので、回収時に物品の仕分けを行うことはありません。
自分で遺品整理を済ませた後に出た粗大ごみやリサイクル可能な資源ごみ、家具・家電や寝具などをまとめて引き取って欲しいという場合には、不用な物をまるごと引き取ってくれる不用品回収業者への依頼が適していると言えるでしょう。
一見同じことように感じられる「遺品整理」と「不用品回収」を比較すると本質的に大きく違うということがわかります。
では、実際に遺品整理を業者に任せたいと考えた場合、「遺品整理専門業者」と「不用品回収業者」どちらに依頼するのが良いのでしょうか。
「遺品」に対する遺品整理業者と不用品回収業者の違い
「遺品整理」と「不用品回収」が似て非なるのと同じように、「遺品整理業者が行う遺品整理」と「不用品回収業者が行う遺品整理」にも明確な違いがあります。
遺品整理業者と不用品回収業者が行う作業の具体的な内容とそれぞれの違いをこちらで確認しましょう。
遺品整理業者の仕事
遺品整理業者は、お部屋にあるすべての物を故人が遺した大切な「遺品」と認識して思慮深く丁寧に取り扱い、遺品の仕分けから搬出・運搬、供養、仕上げの清掃まで遺品整理全般を遺族に代わって行うのが仕事です。
遺品整理業者は、亡くなられた方の持ち物を「どのように残すのか」「使えるものはどうするのか」「使わないものはどうするのか」など遺族の意向に基づいて考慮し、遺品を貴重品、形見品、再利用品、廃棄品、保留品などに仕分けることから始めます。
遺族が不用と判断した遺品でもリユースが可能な物や価値がある物は買い取ったり、再利用できる物はリサイクル品として引取り、廃棄する物は地域や自治体のルールに沿って適切な処分を行います。
遺品を仕分けて搬出した後には簡単な清掃も行いますが、原状回復が必要なほどの汚れやニオイがあれば専門機器を用いて除去・消臭などを行う「特殊清掃」や「ハウスクリーニング」もオプションサービスで依頼することができ、他にも家屋の「リフォーム」や「解体工事」、車・バイクの「動産売却」や相続・保険に関する「諸手続き」の仲介に至るまで幅広いサービスを行っているもの遺品整理業者の特徴です。
多くの遺品整理業者には、専門的な知識と技術を持つ遺品整理のプロフェッショナル「遺品整理士」が在籍し、遺品処分に必要な「産業廃棄物収集運搬許可証」や有価物を買い取るための資格「古物商許可証」を取得していますので、遺品整理全般を安心して任せることができるだけでなく、遺族のあらゆる要望や相談にも柔軟に対応してくれます。
自分で行いたい遺品整理をそのまま代行してくれるのが遺品整理業者と考えて良いでしょう。
- 関連記事:遺品整理士の資格と仕事
不用品回収業者の仕事
一方、不用品回収業者はお部屋にある物を遺品として考慮することなく、すでに使わないと判断された物として回収することが仕事です。
不用品回収業者は、お部屋で遺品の仕分けをしたり回収する品々の梱包をしてくれるというわけではありませんので、形見として残したい物や大事な物、別の利用価値がある物などは遺族があらかじめ整理しておき、不用な物と必要な物に選別しておく必要があります。
本当は廃棄してはいけない物や手元に持っておきたい大事な遺品があったとしても、不用品回収業者の作業では気づくことができません。
不用品回収では写真や手紙、日記や手帳など故人の生きた証となるような物や思い出の品、売却価値のある物品でもすべて事前に「不用と判断された物」と認識しますので、回収物が遺品であることまで考慮していないからです。
また、不用品回収と言う通り「不用な物品」を引き取るのが不用品回収業者の仕事ですので、作業を終えた後の清掃は行いません。
不用品回収業者によっては、遺品整理業者と同じように遺品の仕分けから搬出・運搬、清掃、廃棄までを行う遺品整理サービスを提供している事業者もあります。
ただし、普段から不用品やゴミ同等の物を主に扱っており、慎重さよりも効率の優先に比重を置いていることがほとんどですので、機械的で粗雑な作業と感じる依頼者も少なくないようです。
処分する物品でも「遺品」として真心を込めて丁寧な扱いをしてもらいたいという思いがあれば、専門的な教育が行届いた遺品整理業者へ依頼することをおすすめしますが、思い入れや心残りもなく明確に廃棄すると決断した物品を引き渡すだけであれば、不用品回収業者に依頼する方が一般的な遺品整理の相場よりもコストを抑えることができるでしょう。
- 関連記事:遺品整理の料金相場と費用の目安
「遺品処分」に対する遺品整理業者と不用品回収業者の違い
遺品整理業者が考える遺品処分
さまざまな事情により遺族だけで遺品整理ができなかったとしても、大切な方の遺品は分別を持って慎重に扱い、丁寧な作業をしてもらいたいと願うのではないでしょうか。
このような遺族の思いに十分配慮し、故人を尊重するという気持ちを持って遺品整理に取り組み、処分すると判断された物品であっても最後まで「故人の遺品」として真心を込めて丁寧に取り扱うのが遺品整理業者です。
遺族が廃棄処分すると決めた物も、遺品整理業者が向き合う物はすべて「故人が生前に所有した物」であり「遺品として遺されたお品」です。
処分する遺品の中でも、特に故人との繋がりが深く思い入れがあると思われるお品があれば、遺族の意向や信仰を汲んだ上でご供養やお焚き上げを施します。
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数多く遺された遺品の中から、財産価値のある物や魂抜きの必要がある品を見分けるのも遺品整理業者の仕事のひとつでもあります。
また、遺族が残すか手放すか迷う遺品があれば処分を保留するなど、心情や状況に対する柔軟性を持ち、遺品特有の問題に良心的な対処をするのが遺品整理業者です。
実務に基づく専門知識や技術を備えた遺品整理士が在籍している遺品整理業者であれば、遺品整理をする上で必要な法規制も心得ているので対応スキルも高く、遺産協議や相続問題に応じて必要となる行政機関や各種専門家との仲介役としてサポートしてくれる場合もあります。
不用品回収業者が考える遺品処分
不用品やゴミの回収・処分を専門に行なう不用品回収業者は、回収品の所有者やその物にどのような思い入れがあるかということまで立ち入ることはありません。
回収品が「遺品」であったとしても遺品であることを考慮して取り扱うわけではありませんので、思慮深い対応や処置は期待できないと考えた方がいいでしょう。
数ある不用品回収業者の中には遺品整理の代行を請け負っているところもありますが、有資格者が在籍していない場合がほとんどです。
無資格者が遺品整理に着手すると、故人の愛用品や財産的価値のある物など厳重な取り扱いが必要な遺品まで一括処分されてしまう可能性がありますので、不用品回収業者を依頼するのであれば、あらかじめ形見品や貴重品など遺品の選別をした上で遺族の元に残さずに処分すると決めた物だけ引取りと処分を託すのが最良でしょう。
遺品整理業者と不用品回収業者どちらを選ぶ?
遺品整理の依頼をする場合、まず気になるのが料金ですよね。
しかし、料金が安いという理由だけで業者を決めたことが原因で、やり直しができない遺品整理で残念な気持ちや不満が残ってしまうということは避けたいものです。
遺品整理は「遺品整理業者」と「不用品回収業者」どちらにも依頼することは可能ですが、これまで述べた通り、サービス内容や遺品に対する考え方は大きく異なりますので、どちらに依頼するのが自分や故人にとって最良であるかを判断することが大切です。
まず遺族の方は業者を決める前に亡くなった方の持ち物を「遺品」としてどのように整理したいか、どんな形で気持ちに区切りをつけたいのかということを考えてください。
畏敬の念を込め、遺族として心残りなく故人を送り出すために必要なこと、そして優先したい気持ち。
これらは遺品整理の経験や代行業者のサービス利用をするのは初めてという方がほとんどであるからこそ、重要視したいことでもあります。
「遺品整理業者」はこのような方におすすめ
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「不用品回収業者」はこのような方におすすめ
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遺品整理業者を上手に選ぶためのポイント
遺品整理のプロフェッショナルである遺品整理業者に依頼する場合でも、各社の料金や強みとするサービスなどを比較し、2~3社で相見積もりを取った上で、信頼できる業者を上手に選ぶことも重要です。
残念ながら引き取った遺品を人目につかない場所へ不法投棄したり料金を過剰請求するなど、利益のために手段を選ばないモラルに欠けた悪徳業者もごく一部存在しており、遺族による被害報告があるのも事実です。
基本料金に含まれる作業内容やオプションサービスの種類、サービス対応の範囲は各社で異なります。
依頼する遺品整理業者が自分にとって必要なサポートを受けられる会社であるかを事前に確認することも大切です。
また、「特殊清掃」や「遺品買取」を行う遺品整理業者であっても、サービスを提供する上で必要となる許認可を取得している業者であるかどうかも確認しましょう。
遺品から出るゴミや廃棄物を回収して運搬し処分する場合には、各自治体が発行する「一般廃棄物収集運搬許可証」や「廃棄物収集運搬業許可証」、遺品買取サービスを提供しているのであれば「古物商許可証」を取得している必要があります。
特殊清掃サービスが必要であれば、血痕や体液処理など一般的なハウスクリーニングではできない特別な清掃技術やノウハウを習得している「事件現場特殊清掃士」の資格を持つスタッフがいればより安心です。
事業者が取得している資格については、各社ホームページ内の「会社概要」や「会社案内」などに掲載されており、料金やサービス内容と併せて確認することができます。
遺品整理に関連する必要資格を持つ遺品整理業者なら「安心」と「信頼」を得られるだけでなく、他社と比較する場合でも判断の基準にしやすいでしょう。
- 関連記事:良い遺品整理業者の上手な選び方
遺品整理で困ったら遺品整理業者に相談を!
遺品整理をする時というのは、時間や予算に制限がある場合が多く、ゆっくり遺品整理業者を選んでいる余裕がないことがほとんどです。
気持ちや時間にゆとりがあったとしても、初めての遺品整理であればいつから、どのように始めればいいのかわからないこともあるでしょう。
いざ自分で遺品整理をはじめたものの、遺品と向き合う度に悲しみが蘇ってしまったり、あれもこれも手元に残したいという思いから一向に遺品整理が進まず途方に暮れてしまうことも実は珍しいことではありません。
遺品の量や整理する範囲、必要な作業や原状回復にかかる時間も状況によってさまざまですので、遺品整理で困ったことがあればまず遺品整理業者に相談してみると良いでしょう。
良心的な業者であれば、利益を優先することなく遺族の目線で的確なアドバイスをしてくれます。
「遺品整理を業者に依頼するか、自分たちでするか」で迷っている場合でも、一度、遺品整理業者に相談してみてください。
遺品の仕分けや整理は自分たちで行う場合でも、手放す遺品の処理や専門的な技術が必要な作業のみを遺品整理業者に依頼するのもひとつの方法です。
特殊清掃(汚物、異臭、害虫などの処置)や遺品供養、残置物の処分、遺品買取の個別依頼でも優良な遺品整理業者であれば快く引き受けてくれます。
多様なオプションサービスを提供している遺品整理業者であればより柔軟に対応してくれますので、お部屋の状況や遺族の事情に合わせて遺品整理業者を上手に利用しましょう。
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